"幼い頃、リゼットは家の手伝いが好きだった。他人からすれば他愛のない記憶でも、彼女にとっては何よりも大切な思い出だ。自分のことを何も思い出せない時期があった。過去のことも、かつての友人のことも。オルニクスの言葉が、積み重ねられたアンデッドの記憶が、濁流のようにリゼットの意思や思い出を押し流してしまったのだ。恐ろしい洗脳が解けた今でも、その後遺症で記憶の多くは失われてしまっている。だから彼女は、細糸を手繰るようにして思い出した数少ない昔の記憶を、決して失わないように大切にしている。あの恐ろしい虚無に二度と落ちてしまわないように。傷付いたフィンへの献身的な世話も、彼に対する思いも、間違っていたと考えることはリゼットにはできない。フィンを助け、彼と冒険したことが後に、人類を危機に陥らせてしまったという事実があったとしても。リゼットにとって、過去を否定することは、自分の全てを否定することに等しい。それだけは絶対に、受け入れられなかった。"
"現実はおとぎ話ほど甘くはない。フィンに対して、初めて会った時から恋心があったわけではなかった。アンデッドに村を襲われラストヘイヴンにやってきたフィンを、リゼットは他の難民と同じように受け入れた。全ての者に慈悲深く接し、誰一人追い払わない彼女は、「外郭の天使」と呼ばれていた。しかし、自分と境遇がよく似ていたフィンに対して、特別な親近感があったことも否定できない。幼くして故郷も家族も亡くした年齢も近い彼を、リゼットが家に招いたことは当然のことであった。二人の愛がやがて人類の破滅につながることなど、知りようがなかった。"
"彼らはカレンの予言に従い、冬至の夜にオルニクスと戦った。リゼットは幼い頃から冬至が大好きだった。いちばん太陽が短い夜。いちばん寒い夜。愛する人が、火を囲みながら皆で寄り添って眠る夜。決戦を目前にしてリゼットは、この日がアンデッドから世界を解放した日になれば、もっと好きになれるだろうと考えていた。今でも、リゼットは冬を憎むことができない。雪が音を包み、白銀が世界を覆い尽くすと、時が止まったかのような感覚になる。万物の動きが止まり、痛みも、思考も、何もかもが静止する。すべてを失ったあの夜のことを考えることもない。愛した人の裏切りも、自らの罪も、雪原の底に、どこまでも深く沈んでいくのだ。"
"ポイズン"
"ポイズンドレイン"
"ヘイトブラスター"
"クリスマスギフト"
"ポイズンエンター"
"攻撃力アップLv3"
"最大HPアップLv3"
"大剣耐性Lv3"
"免許皆伝:槍"
"アイアンハート"
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