コンペキヒトヨダケ、またの名を死のアイトウ。青く、菌体が幼い時は卵型で、その後に傘が形成される。アイトウカサタケと同じで、中部は臍状になっていて、溝がある。色はグラデーションになっておらず、緑がかった青だけである。小さな白い斑点があり、暗い場所だと白い斑点の有無の識別は難しい。
猛毒を持つ。
薬用のアイトウカサタケと見た目が酷似しているため、地髄開拓初期には誤食による食中毒が多数発生した。集中的な焼却と埋め立てにより、現在は入手すら困難になった。これに加えて下層部の住民がアイトウカサタケを積極的に栽培し、野生で採取しない管理方式を採用したため、中毒事件は大幅に減少した。
アロマエーテルグラスは、通常は放射線濃度の高い洞窟の中に生息し、短く太い茎には芳香のある揮発性物質が多く含まれている。アロマエーテルグラスの葉は低温で素早く揮発性物質を生成することができる。この特殊な香りがする揮発性物質は、穴居動物を引き寄せる効果があり、物質の濃度が高い環境へとおびき寄せる。物質の安眠効果により、動物はこの植物の周辺で眠ってしまう。
動物たちが集まっている様子はまるで物語を静かに聞いている子供たちのようであることから「童話大王」と呼ばれるようになった。しかし放射線濃度の高い洞窟で眠ってしまうことは、童話のように甘い出来事ではない。アロマエーテルグラスは人間に対しても効果を発揮するが、健康な成人は昏睡状態に陥ることは無い。希釈後の揮発性物質は安眠作用のあるアロマの原料として、地下の市場でよく見かける。
安神ダケ、子実体の大きさは普通、傘は肉厚で、直径は4~8㎝、楕円の半球形をしており、黒に近い緑色である。繊毛状の鱗があり、縁は内側にカーブしている。安神ダケにはシロシビンと呼ばれる、セロトニン受容体に主に作用する成分が含まれている。セロトニンがない場合、神経の接続を遮断し、部分的な知覚喪失を引き起こす。
特殊な神経遮断作用があるため、かつては鎮痛剤として開発されたが、シロシビンは痛みの感覚を遮断するだけではない。実験段階で、安神ダケの遮断剤を投与すると、体の各臓器の正常な機能に悪影響を及ぼすことがわかった。地下での非合法な改良により、低用量によるスポット注射で、特定の部位への鎮痛効果を得ることに成功した。