※ノートの表紙は泥と鉱塵に覆われているが、開いてみると、中のページは新品のようだ、それにほんの数ページしか使われていない。※
2月
友達にどんな動物をかんさつするか聞いたの、そしたらみんなイモリ、葬礼虫、ジェムトカゲとかだったの。私は特別で小さな動物が欲しいから、お父さんが作ったロボペットをかんさつするんだ。ロボットの名前は「ナナちゃん」、四角い頭と足が四本あるんだ。お父さんもお母さんも「ナナちゃん」がすきなの。
今日はお父さんに「ナナちゃん」の夜ごはんを用意してって言われたの、だから「ナナちゃん」を連れてエネルギー転換設備のところに行って、おなか一杯食べさせたの。
2月
今日はお母さんと一緒にボルダータウンに行ったから、かんさつ日記は書かなかったの。
2月
今日はお父さんが「ナナちゃん」を連れてお出かけしたの、だからかんさつ日記が書けなかったの。
2月
お父さんが昨日「ナナちゃん」を改造したって教えてくれたの。今の「ナナちゃん」はしゃべれるの、それにかんたんな家事ができるようになったの。
「ナナちゃん」がどれだけ頭よくなったのか試したいから、「ナナちゃん」に「今日は気持ちわるいから学校に行けないって先生に教えて!」って言ったの。
「ナナちゃん」はすぐに「頭は大丈夫か?」って返事したの。
ほら、私の「ナナちゃん」はやっぱり頭がいいんだ!
※先生の評語:「もうこのロボペットを飼わないでください」※
2月
今日はね、「ナナちゃん」を連れて外であそんでってお母さんに言われたの。だから「ナナちゃん」の頭になわをつけてお出かけしたの。
私たちはキャンプでジミーに会ったの、ジミーもロボペットを連れていたの。
ジミーのペットは目が二つあって、一つは緑色で上にあって、もう一つは赤色で下にあるの、どれもまん丸だったの。頭の下には爪があったの、お母さんが作るむしイワグラシガニみたいだったの。
私はジミーといっしょに遊んだの、でもペットの事を忘れちゃったの。探しにもどった時、「ナナちゃん」とジミーのロボペットがだきあっていたの、これはぜったいにつき合っているんだ、クラスのトミーとマリーみたいに。
※先生はここに大きな疑問符を描いてる。※
2月
今日は病気で一日中ねていたの、だからかんさつ日記は書かなかったの。
2月
今日も病気で一日中ねていたの、だからかんさつ日記は書かなかったの。
※先生の評語:「七日分の宿題を出したのに三日分しか完了していないじゃない。それと、ロボットはペットではありません!」※
2月
先生が私のかんさつ日記に0点つけたの、お母さんも私をしかるだけ。
もうおこったもん…ふん、どうして私ばっかしかられるの、だれも私を理解してくれない…なんで日記なんか書かないとダメなの?ああもうヤダ!れっかいのモンスターになってトミーとマリーを食べて、先生も食べちゃう!あはははは!
ふふ、私こそ悪の化身だ…このかんさつ日記はうめる、私の過去をうめる…はははは……
※日記の内容はここまで。※