Archivum 崩壊:スターレイル

その2

ろう月廿二

みーみーは日に日に大きくなるも、その愛嬌と賢さは変わらない。毛絨は冉冉と流雲が雪を映すが如く、尾は九坎と長く、端には斗大の茸毛が有る。そしてその氷紋の如く眼、色澤が円やかで、何とも威厳があるのだろう。

しかし、みーみーは食べる量がやや大きすぎて、どうも尋常ではない。本当に狸奴なのか?考えてみると、今までのように彼をみーみーと呼ぶのは少し不適切かもしれない。

青鏃からある報告が告げられた。この一週間、彼女は神策府の食費との科目で合成肉を二百斤買い入れたが、その全てがみーみーに食べられてしまったのだ。そして事態は発展し、巷で色々と噂になっているようだ。将軍は日々目を閉じ、政をおざなりにしているだけではなく、食事の量も牛の如く大量で、何ともおぞましいか。との噂だようだ。

青鏃はこの巷説が私に不利となることを恐れているが、私自身は全く構わないので、彼女に心配しないよう言い付けた。見るに、「暴食将軍」は「無眼将軍」よりも威風があるではないか。