Archivum 崩壊:スターレイル

その2

【原文】

君子は無数の玄兎を操り、君子は数々の金烏を動かす。[注1]
どこからともなく火の手が上がっているのが見える。歳陽が毒であることをまだ知らない。
文章にならなくても害をなし、詩や酒がなくても人を楽しませる。
幻想を通じて夢を見なくてはならず、悲しみや楽しみを鬼神に与えてはならない。[注2]
帝弓は炎のような洞察力をもち、神のような腕を広げて燃え盛る風を迎えた。
炎に包まれた敵は恐れを抱き、煌々たる赤き星は網に落ちる。[注3]
死んだ兵士は二百人、彼らを天に捧げると誓う。
中駆を分解して穴をあけ、それを持って仲間の槍とする。[注4]
火皇の奥深くへと潜り込み、雲雷が穹閣を揺るがす。[注5]
一瞬にして星が飛び散り、たちまち銀河が赤く染まった。[注6]
精霊の炎をとらえ、魔力を封じて舟や車を養わせる。[注7]

【注釈記】

[注1] 古の国の神話では、「玄兎」は月を指し、「金烏」は太陽を指す。ここでは帝弓(仙舟)が宇宙を航行している様子を指している。

[注2] 記録では、「歳陽」は形のないエネルギー体生物であり、人の感情を吸収して人の意志に影響を与えられるとのことである。

[注3] 「赤き星」とは、歳陽が仙舟を捕獲するために自ら集合したマイクロ型恒星である。赤色をしていた。

[注4] 古の国の古文書には、「軍の先鋒を先駆といい、その次を中駆という」とある。ここの「中駆」とは、仙舟曜青のサブエンジンを指す。この文は、帝弓が決死隊を率いてサブエンジンを分解して武器に変え、歳陽と戦ったことを言っている。

[注5] 「穹閣」とは、仙舟羅浮の居住地「登雲群閣」のことである。太卜司の「瞰雲閣」とする説もある。ここでは爆発の衝撃が広範囲に及んだことを言っている。

[注6] 記録では、仙舟の決死隊は武器にしたサブエンジンを歳陽の恒星に送り込んで滅亡に追いやり、崩壊させてブラックホールにしたとされている。この文は仙舟文学史上初めてその展開を描いたものである。

[注7] 記録では、歳陽との戦争が終わった後、仙舟の民は歳陽の首領「火皇」を封印し、永遠の人生の残りは、仙舟朱明のために動力を提供するという判決を下したとされている。