危険度:★★☆☆☆
レア度:★★★★☆
取引価値:
【外形説明】
外観は不整な半円形となっており、頂点の内側に金属状のシナプスがある。アーチ状の部分にはいくつかのボタンがあるが、テストしてみた結果、一部が跳ね返らない状態であり、該当機能は不明。
【概略】
この半円形のリングは俺の常連客のコンラッドさんが拾ったもんだ、これと同じ場所で出土したのは全部小さい古代遺物で、俺の推測によると、旧世界の家庭か個人が使ってたやつだな。一夜大尽はできなくても、相当な価値があるぜ。
変な形の古代遺物だから鑑定が難しいってさ、かの有名な「カンテラ」でもどうしようもないって、コンラッドさんが言ってた。旧世界には何でもあってな、このリングはまだいいもんさ。ちっと頭を働かせれば、解説できなくもない。
じゃあいつも通り、構造から話すぞ。
半円形のリングの弧はかなり整ってる、「外力による変形」じゃなくて、元々こういう風にデザインされたものだと俺は思う。重さから見て、このリングの主な機械要素は中心部に集まってて、両わきは控えめな構造だ。それに、内部に向けてへこんでいる弧形の表面……
俺が難しいことを言ってるって不満に思うなよ。古代遺物を鑑定する時は、正確な話になるよう専門用語を使う主義なんだ。どれも嫁さんとよもやま話をしてるように喋ったらダメだろう?そんなことするなら、「カンテラ」の看板を下ろして、講談師になるわ。
ははっ冗談だ、続いて鑑定するぞ。
外見を見て、一番目を引くのは二つの曲がってる金属状のシナプスだな、こいつは見たことあるぜ。
以前にも同じもんを確認したことあるんだが、スイッチを入れたら「パチパチ」と音がして、怖くてすぐ閉じたら焦げた匂いがした。どこからの匂いだろうな?その時鑑定に来た旦那がまだ手をかけたままだったんだ。銅山の爺様のご加護で、俺が鈍くてよかったぜ。だから、古代遺物を鑑定するのに最も大事なのは、「慎重さ」だ。でなきゃ、腕が何本あっても足りねぇ。
そんで、この半円にある金属だが、あれと同じ「電極」だと判断する。ほら、これでこの奇妙なもんの機能が分かっただろう?
古代遺物を鑑定するのに最も大事なのは「見識」だ。見たもんすべてが経験値になる。
はぁ?最も大事なのは「慎重さ」じゃないかって?鑑定の秘訣はいっぱいあるんだ、お前さんが全部知れる訳がないって。だから、このメシを食ってるのは俺で、お前さんじゃないんだよ。
その後、原稿と旧世界の雑誌を調べてみたら、似たような形の布製の工芸品を見つけたんだ。その雑誌の記述によると、これは後ろから首にかけるやつだ、だから半円だったんだろう。俺は面倒事になるのは御免だから、すぐにコンラッドさんを呼んで、これを彼の首にかけた。はは、ぴったりでそりゃあとてもお似合いだったぜ。本当に、旧世界の人が来ても首にかけるもんだと言うほどになぁ。
コンラッドさんもこれほどぴったりだとは思わなかったって、大喜びだった。首に当たる金属がとても心地いいけど何だろって聞かれて、拷問器具だと教えたら、びっくりしてすぐにそれを投げ出してたな。そんで椅子を奪って、俺を殴ろうとしたんだぜ。濡れ衣だって言うのにな。一つ、こいつにはもうエネルギーがない。二つ、俺はスイッチに触ってすらいねぇってのに、この爺さんったら。
まだ類似の古代遺物を発見してないことを考慮して、とりあえず星4のレア度としておこう。拷問器具ではあるが、加熱して爆発するような古代遺物と比べたらまだ温厚なタイプだ。一応、危険度は星2かな。