半夏へ、
君がこの書き置きを見つけたということは、僕を探しに来たのだろう。そして勿論、僕は既にこのコンテナを離れ、別の場所に隠れている。便せんの裏に新しい隠れ家の場所を記した、埃を拭いたら見えるはずだよ。(どうやってコンテナの位置を伝えるのかわからなかったから、大まかに描いてみたんだ)
この前、君は僕の病気を心配して、僕が流雲渡しでちゃんとした療養ができるために、機巧鳥で若干の料理と布団、枕を送って来てくれたね。僕は大喜びだったよ、でも同時に罪悪感も感じていた——ここまで君に気にかけてもらって、僕はどうしたら君の恩に報いれるのだろう?思うに、いくら君に恩返ししても足りないのだろう。
恐らく、僕も何百年、何千年と生きなければ、君のご恩は返しきれない。
長生は僕の追求する終極ではない。君にならわかるだろう、僕は長命を貪ろうとする薬乞いとは違う、僕にはより長期的な目標があるんだ。君の助けがあれば、この長い旅路も無駄に終わる事はないだろう、不老長生も…叶うだろう。
心から感謝しているよ。
話を戻すけど、コンテナでの生活の跡は消しておいたよ。「薬王秘伝」の人がここに来たんだ、きっと君が原因なのだろう。怒っているわけじゃない、僕は今興奮しているんだ、これで成功に一歩近づけたんだ。
僕は次の隠れ家に隠れているから、着いたら僕を呼んでくれ。君が一人だと確認したら、会いに行くから。慎重すぎるかもしれないが、僕を責めないでくれ、このおかげで僕は今まで生きてきたんだ。