夢獏
「別名」
夢君、長安、仙枝ともいう。
「容貌」
鼻が長く、角はない。毛皮に星のような模様がある。
「習性」
季節ごとに移動する獣。温泉、渓谷など、熱のある場所に生息する。警戒心が強い。鯨すら呑み込むような鼻をしており、カゲロウや小魚を捕食する。
「伝説」
夢獏が生息する泉には、気持ちを落ち着かせ、心を静める効果がある。水中で呼吸すれば、霊気を生み出す。昔、羅浮人はよく夢獏の角を薬として服用し、安魂散と名付けていた。悩みや悲しみを抱えて寝付けない人によく処方されていた。
「特徴」
肉:辛く、温かく、無毒。
角:苦く、冷たく、無毒。
「効能」
肉:喉の渇きを癒やして唾液の分泌を促す。血液を作り出して乾燥を防ぐ。
角:気を通して痛みを止める。気を体内に取り入れて落ち着かせる。
「推奨調理法」
夢枝:夢獏の角は、実はフンの塊だ。現在では、高値をつけるためにフンの模様や種類をでっち上げ、わざと等級分けしたりする悪徳商人がいる。私見だが、夢枝は装飾品としたり、切って香として焚いたりすると、確かに心を落ち着かせる効果がある。だが、口から摂取する必要はないだろう。
安魂散:夢獏の角をすりつぶした後、材料として用いる。ミネラルを多く含んでいるが、食べ過ぎると毒になる。
備考:
地衡司が調べたところ、夢獏の角はすでに薬として使われていない。その幻覚効果は中毒作用に近い。